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  • 執筆者の写真kanon

アンタは本当にそれでいいの? 制作記


こんにちは、kanonです!pixivで開催されていた「百合イラストコンテスト」に出展すべく、今回は久々に「百合(女性同士の恋愛)」をテーマに一枚描いてみました。

買い物中に聞いたJ-POPをもとに

このコンテストの存在を知り、とりあえずコンテストに向けて描かなきゃなーなんて考えながら買い物をしていたときのこと、お店の店内bgmで流れた有名なJ-POPのラブソング(タイトルは知らないのですが、多分聞けば誰しもが聞いたことがあるような曲です)を聞いて、急に思いつき、すかさず持ってたメモ帳にラフを描きました。


二人の女の子が、キスをしている(もしくはちょっと濃厚な絡みをしている)、三角構図の絵。南国植物と、アール・デコ風の建物。



そのラフが元になって描き始めた絵でした。

何が何だか分かりづらいラフですが、案外描いて仕舞えば、どんな絵が描きたかったのか覚えていられるものです。


結局その時聞いた曲は最後までわからなかったのですが、終始「愛」を感じさせる音楽を聴きながら描いていました。


アンタは本当にそれでいいの?の意味

「禁断の愛」


多様性を重んじる現代に、同性愛をこんな風に言って仕舞えば、怒られてしまいそうですよね。

とにかくインスピレーションを受けたラフのまま、物語を考え描き進めます。

(もし、この表現が不快に感じてられてしまった場合は申し訳ございません。)


物語はこう、


「やはり同性愛がメジャーではない世界で、異性同士の結婚を迫られた花嫁が、結婚式を抜け出し、真に愛する彼女の元へ。だけど彼女は花嫁が自分と生きるよりも、異性のパートナーと結婚した方が幸せになれるのではないかと思い悩む。彼女は「アンタは本当にそれでいいの?」と花嫁のキスを受け入れながらも、罪悪感にかられながらこう思うわけです。」


ありがちなストーリーですが、イメージしやすいのでこのストーリーをもとに描き進めて行きます。

異国の「彼女ちゃん」

彼女ちゃんは私たちから見れば異国の少女風ですが、この場合花嫁ちゃんの方が異国から彼女ちゃんの住む島に嫁ぐためにやってきたという感じです。


この彼女ちゃんの顔は異国の民族みを出すために、特に鼻筋に気を使って描いています。




ちょうどゼルダの伝説のブレスオブザワイルドというゲームにハマっていて、せっかくだからゼルダの伝説のアートワークを研究して見ようと、以前から持っていた設定資料集なんかを読み返してみたときのこと、キャラクターが、特にゲルド族という民族の鼻筋がかなり独特だったな〜と思い出して取り入れてみました。肌も花嫁ちゃんに比べて色黒です。

PhotoshopとProcreate二刀流の制作

私が絵を描く時によく重視するのは「作品の持つ雰囲気」です。


空気感を表現することによって、この世界がどんな世界なのかを強く印象付ける「恋愛」がテーマで、より心に訴えかける表現を必要とする今作はそれを特に気を使いました。


今作は色をはっきりと赤と緑に分けて制作しています。人物の肌のじっとりとした温度を感じる赤を表現すべく、周りの色調を赤の補色である緑にしてより強調させてみました。


そのために微細な色調整が必要になり、普段描いているiPad で使っているprocreate とPCで使っているphotoshopを何度も行き来させ、制作しました。


procreate とphotoshopは、procreateでpsdデータで保存した作品をiCloud のフォルダに入れたり、Air dropという機能をつかいPCに送ります。ウィンドウズのPCでの移し方はわかりませんが、何かうまいやり方があるはずです。


Procreate では普段の制作だけではなく空き時間、移動時間などにガシガシ描けます。

一方Photoshop ではProcreate では対応しきれない微細な色調整や、細部を描きやすいブラシがあるのでそれで細部を細かく描くことができます。


Photoshop に移した際、iPadとPCにAstropad というアプリを入れて、同じwifi環境下にある、またはiPadの充電器でお互いをつないでいれば、なんとPCの画面をiPadで操作して使えるようになります。いわゆる液タブみたいな状態で描けるので、photoshop を利用するときはいつもこれで描いています。


それでうまくいく!なんて思って今回は頻繁に移動させながらやってたのですが…


PCのphotoshopでの作業と、iPadのprocreateでの作業で、PCとiPadを行き来しているうちに制作スピードが落ち、グダグダしてきてしまいます。終いにはphotoshop開くのがめんどくさくなって手が止まりそうだったので、慌ててipad にデータを戻して、色調整もほぼipad でやってしまいました。


さらにPCとIPad では、色の見え方も違うので、どちらかに合わせるとどちらかで変な色に見えることもありました。photoshop で色調整やってみてipadに移してみたら肌が真っ赤になってた!なんてことも。


できるとはいえ、photoshop とprocreate の互換性の悪さに悩まされながら、それでも完成を目指して描きます。


完成前に投稿、悔しさがのこった制作に

「うーんなかなか雰囲気が出せない」

ほぼモチーフには手を入れ終わったあたりで、雰囲気が出せないと試行錯誤を繰り返します。しかしそうこうしているうちに、コンテストの締め切りが近づいてきます。

試行錯誤を繰り返しつつも、モチーフを描き込みますが、それでも納得がいかず、ただ出さないよりはましだろうと思い、結果未完成のままで提出しました。



完成作品と比べて細部の描き込みが甘いのがわかります。





やっぱ悔しいから加筆、それでも悔しい結果になった制作

提出後「あーあ、上手く描けなかったなー。悔しいなー」としばらくネガティブになっていたのですが、それでも一晩寝たら活力が湧いてきます。また違うコンテストを(今回もギリギリ)発見してそのコンテストに向けての絵を描くと同時に加筆をします。


水滴の粒もここで描き足してみました。

ある程度納得の行くところまで加筆、色調整をしたら完成です。

どうせ完成させてもいい作品にならないだろう、という諦めの気持ち、グダグダ制作の辛さがあっても、最後までいい作品にしようと足掻き続け、完成させた、その気持ちと頑張りが今回の制作で特に評価できたポイントでしょう。


絵の技術の他にも、絵に向かう姿勢もやる気も自分でコントロールして描かなきゃいけないんだなーと改めて考えさせられました。


ただし、「雰囲気が描きたいのに描けない」といった技術面は改良しないといけないです。


雰囲気とは、一体なにから発せられるのか?そもそもそれが分からないから、どうしようもないような気がしますが、雰囲気とはまず実在する人間や風景から発せられるものなので、最近は写真模写などをして、実在するもの、雰囲気を描く感覚を鍛えたりしています。


ラフの時点でかなりイメージしやすく気に入っていたので、それがうまく表現できなかったのが悔しい制作となりました。

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